2021年10月16日土曜日

10月15日(金)3年「面浮立」学習会Ⅱ

 3年生は、この日の2、3時間目、鹿島市教育委員会生涯学習課の加田隆志先生をお招きして、第2弾「面浮立」学習会を行いました。3年生は、総合的な学習の時間を使って、「面浮立」の学習を一年かけて取り組んでいます。子ども達は、加田先生から「鬼」と「面浮立」の関係について学び、日本人の昔の考え方や「面浮立」に込めた昔の人々の思いを知りました。


 今日の学習のねらいは、‟日本人の「鬼」に対する考え方を理解し、「面浮立」に込められた人々の願いについて考えよう”です。さて、どんな話なのか、楽しみですね。
 電子黒板に、アニメ「鬼滅の刃」の画像が映し出されました。子ども達の目が一気に釘付けとなります。「‟鬼滅の刃”に登場する『鬼』を考えてみよう。みんなは『鬼』に対してどんなイメージを持っているかな?」子ども達から様々な意見が出されます。「人間の敵」「怖い」「人間にない能力がある」等々。
 次に、映し出された画面は、「鬼滅の刃」に登場するキャラクター「禰豆子」です。「でも、鬼は全部悪者?人間の敵?かな~」「禰豆子の他にも人間の味方をしてくれる鬼がいるよね」子ども達も大きく頷きます。
 昔の日本人の「鬼」についての考え方を学びました。例えば、「疫鬼」(えきき)という鬼。この鬼は、伝染病を引き起こす鬼です。昔の日本人は、伝染病の原因がわからず、伝染病を鬼のしわざにしていました。
 例えば、山の中で、人が襲われたり、殺されたり、食べられたりした。現代だったら、野生動物(オオカミ、ヒグマ等)に襲われたかも?と考えますが、昔は「鬼」が山の中に住んでいると考えられていました。
 「夏や秋に大風で被害が出た。なぜだと思う?」子ども達は「台風だー」と答えます。「そうだよね。原因は台風です。でも昔の日本人は、鬼が引き起こしたと考えていました。その鬼の名は『風神』(ふうじん)と言います。鬼の姿をしていますよね」
 他にも様々な鬼が登場しました。子ども達も、加田先生の話に、どんどん引き込まれていきます。加田先生が見せる画面に食い入るように見る子ども達の姿が印象的ですね。
 「日本には、昔から、鬼を退治する行事があります。何だと思う?」子ども達から一斉に「節分ー!」と答えが返ってきます。
 「鹿島にも、鬼が造ったといわれる巨石で造られた遺跡があります。昔の人は、鬼でないと運べないような大きな石で造ってあるから、『鬼塚』と名付けました。本当は、古墳時代に人間が造ったものです」子ども達から「見てみたいー!」と声が上がります。
 加田先生の話をメモする子ども達。学習が深まっています。
 いよいよ「面浮立」の話です。子ども達は、加田先生の話から、昔の人が、悪くて強い「鬼」を人間の味方にするために作った「お芝居」であることを知りました。鬼は敵にしたら最悪!でも人間の味方にしたら最強!だったら、鬼を人間の味方にしちゃおう!それが「面浮立」です。
 子ども達は、「面浮立」が、悪い鬼が神様と戦って負けて、神様の家来になって、人々を悪いことから守ってくれるようになる行事であることを知りました。そして、「面浮立」には、「一年間、災いがなく安心して暮らせるように、そして災害がなく、お米がたくさんとれてほしい」という人々の願いが込められていることを知りました。
 「面浮立」の学習のまとめをしっかりとワークシートに書き込む子ども達。今日の加田先生の学習会は、子ども達にとって、とっても面白く印象深い学習会となりました。
 加田先生の話が終わり、最後に質問タイムとなりました。子ども達からは、「鹿島の面浮立は何年にできたか?」「面浮立の名前の由来は?」「なぜ、多くの人と踊るのか?」等々、たくさんの質問が出され、加田先生からその一つ一つに丁寧に答えていただきました。子ども達の理解もさらに深まっていきました。