2022年12月16日金曜日

12月15日(木)4年UD講座③ 内田勝也さんとの交流Ⅰ

 4年生は、この日の5、6時間目に、佐賀県県民協働課の協力を得て、○○な障がい者の会代表の内田勝也さんをお招きし、第3回UD講座を実施しました。今日は、内田さんの講話を通して、心のバリアフリーについて真剣に考えました。 


 内田さんは、現在、佐賀市役所に勤務する傍ら、市民活動団体「○○な障がい者の会」を設立され、「だれもが暮らしやすい街づくり」を目指して、講演活動など多方面で活躍されている方です。
 内田さんは、生まれつき骨が脆く骨折をしやすい「骨形成不全症」という難病を持って、この世に生まれて来られました。
 内田さんは、これまで150回を超える骨折と、20回以上の手術を乗り越えながら、車椅子で生活を送ってこられました。咳やくしゃみをするだけで、肋骨が骨折したり、ペットボトルのキャップを開ける時に、手首をひねって骨折したり、・・・等々と、普通では考えられないことで何度も骨折をしたそうです。
 また、内田さんは、小学校の時の同級生や中学校、高校の時の同級生のお陰で、楽しい学校生活を送ることができたことを話されました。何よりも大切なことは、相手を思いやる気持ちや相手のことを考えて行動することであることを、子ども達は学びました。
 今、内田さんが取り組んでいるスポーツとして、全国障がい者スポーツ大会の競技種目になっているボッチャが紹介されました。サガテレビのCMで流れている、内田さんがボッチャをやっている映像を見ながら、子ども達から「あー!見たことあるー!」と声が上がっていました。
 他にも、今取り組んでいる活動が紹介されました。それは、ノンステップバスを導入してもらう活動です。内田さんがバス会社などにお願いして実現できたことを知りました。
 また、内田さんは、旅行が大好きで、いろんなところに一人で行かれているそうです。子ども達は、」海外旅行の経験もあると聞いてビックリしながらも、目がキラキラと輝いていました。
 そして、内田さんは、旅行に行った先々で、いろいろと「困ったなあ~」と思うことがあったことを紹介されました。それが、「3つのさ」です。高い所にある物が取れなかったり、段差があって進めなかったり、狭いところが通り抜けられなかったり・・・と。
 ここで、10分休憩となりました。休憩時間に、内田さんを取り囲む子ども達。内田さんの話を聞いて、いろんな質問をしたりしていました。内田さんに興味津々の子ども達でした。
 10分休憩が終わり、内田さんの後半の話が始まりました。内田さんが子ども達に語りかけます。「障がい者とは、決して、かわいそうな人ではない、頑張っている人でもない、ましてや、特別な人ではありません。みんなよりも少し困ったなと思うことが多い人です」子ども達も大きく頷いていました。
 そして、内田さんは、子ども達に「一人一人みんな違って、みんないい、いろいろな人が暮らす社会、みんなが笑顔になるためには、何が大切だろう?」と語りかけます。
 内田さんは、3つの‟あい”、「認めあい」「助けあい」「支えあい」の必要性について話されました。そして、これこそが「心のバリアフリー」であることを伝えました。子ども達も大きく頷いていました。
 ハードのバリアフリーは、お金がかかるし、時間と場所が必要で、100点にするのは難しい。それを可能にするのが、ハート(心)のバリアフリー、そして、ハートのバリアフリーをする上で大切なことが、「気づき」「考え」「行動」であると話されました。
 子ども達の真剣な目。一生懸命にメモをとる姿。内田さんのお話が、子ども達にとって素晴らしい学びの場になっていることが伝わってきます。
 そして、まずは、困っていることに気づくことが大切で、気づいたら勇気を持って声かけをすること。「『お手伝いすることはありますか?』これは魔法の言葉です。この言葉を覚えてほしい」内田さんが、子ども達に優しく訴えます。
 そして、「やってみよう!」タイムです。自販機の画像が電子黒板に映し出されます。子ども達と「お手伝いすることはありませんか?」の声かけの実践練習をしました。
 最後に、内田さんが、子ども達に「一人一人は、この社会の中で大切な存在。困っている人を見かけたら助ける。自分が困った時は誰かに助けてもらう」そして「これからの人生いろいろな出来事があります。嬉しいこと、悲しいこと、楽しいこと、辛いこと。自分の命を大切に、明るくい楽しく生きてください」と話がありました。心に残る、あっという間の90分でした。